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露武官に陸自教範手渡し事件、元陸相を書類送検に
陸上自衛隊の元陸将が元在日ロシア大使館付武官に内部冊子『教範』を渡し、情報漏えいしたとされる事件で、元陸将が『武官は研究熱心で、そそのかされて手渡してしまった』と供述しているという事が、捜査関係者の話で分かりました。
警視庁公安部は4日、自衛隊法(守秘義務)違反の教唆容疑で元陸将の男(64)とセルゲイ・コワリョフ元武官(50)を書類送検したということです。
公安部はまた、陸自富士学校校長兼富士駐屯指令の陸将(57)ら40~58歳の現役陸上自衛官やOBの5人について、元陸将の依頼に応じて教範を提供したなどとして、同法(守秘義務)違反容疑などで書類送検をしたとの事です。
元陸将の送検容疑は、2013年5月中旬、コワリョフ元武官から部隊の運用方法について、まとめた資料の提供を要求され、現役自衛隊員やOBに『普通科運用』と呼ばれる教範を入手するように依頼したのです。
数日後に陸自隊員ら5人を通じて提供された4冊の教範のうち、陸将から譲り受けた新品1冊を、東京千代田区内のホテルでコワリョフ武官に渡したとしてます。
元陸将は容疑を認めており、また提供した5人も容疑を認め、『ロシアに渡るとは思わなかった』等と供述しているということです。
公安部は外務省を通じ、既に帰国していたコワリョフ元武官の出頭をロシア大使館に要請しましたが、大使館側からは『応じられない』との回答が有ったとのことです。
元陸将は東部方面総監などを歴任していました。
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捜査関係者によるとコワリョフ元武官はロシアの情報機関『軍参謀本部情報総局(GRU)』の所属とされ、日本に9年間勤務していたとのことです。
12年2月にロシア大使館主催のレセプションで元陸将に近づき、1年3ヶ月にわたって都内の飲食店で計8回接触、帰国直前に内部資料の提供を求めたたということです。
元陸将は教範の他、陸自習志野駐屯地(千葉県)を紹介するパンフレットや、贈り物の生活家電をコワリョフ元武官に渡したということです。
防衛省は4日、書類送検された陸将を同日付で陸自富士学校長兼富士駐屯地指令から、陸上幕僚監部付に移動させる人事を発表しました。
事件を受けて同省内に設置された調査委員会の調査対象となり、、現在の職務を全うできないことを異動の理由としており、実質的な更迭人事となりました。
中谷元防衛相は、『国民の自衛隊に対する信頼に背き、我が国の防衛に対する内外の不信を招きかねない遺憾な事案。厳正に対処する』とのコメントを出しています。
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