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政治経済

アイヌ民族への理解72%【差別を感じる】国民とのギャップに隔たりが

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先住民族アイヌへの差別や偏見、未だ理解が不十分な状態

 

 

 

政府は26日、アイヌ民族への理解度について、アイヌ自身と国民全体を対象にした2つの調査結果を発表しました。

 

 

アイヌへの差別や偏見が【ある】と答えた割合は、アイヌ自身が72.1%に上ったのに対して、国民全体では17.9%に留まり、双方の認識ギャップが浮き彫りになったのです。

 

 

菅義偉官房長官は同日の記者会見で、『国民全体でアイヌへの理解が不十分なことが原因ではないか』と指摘し、其の上で『政府として普及啓発などにしっかり取り組む必要がある』と強調しました。

 

 

アイヌ自身の調査では、差別が『ある』と回答した理由(複数回答)を尋ねたところ『漠然と差別や偏見が有るイメージが有る』が54.7%で、『家族や友人らが差別を受けいている』51.4%、『具体的な話を聞いたことがある』51.2%などと続いたのです。

 

 

アイヌ文化.2

 

 

 

差別を『自分が受けている』と答えも36.6%に上り、其の内容は、『自分に対して直接的ではないが、自分をアイヌと知らない周囲の差別的発言を聞いた』が62.9%、『結婚や交際で、相手の親族にアイヌを理由に反対された』が57.5%などでした。

 

 

アイヌ自身への調査は、昨年10月26日~11月20日までの間、20歳以上の1000人を対象に調査票郵送方式で実施、有効回収率は70.5%、国民全体への調査は、1月14日~24日までの間、20歳以上の3000人を対象に個別面接方式で実施、有効回答率は57.6%でした。

 



 

 

アイヌの人々の歴史

 

 

独自の言語や文化を持つ日本の先住民族アイヌ、首都圏に北海道に次ぐ数のアイヌの人々が暮らしていることは殆ど知られていません。

 

またアイヌは『過去の民族』、『アイヌは北海道』と思っている人も少なく無いのでは、ないでしょうか。

 

 

 

 

アイヌ民族は、北海道及び樺太・千島・本州北端に先住し、固有の文化を発展させてきました

 

 

アイヌ文化

 

 

 

しかし、明治時代になると、蝦夷地と呼ばれていた島は『北海道』と改称され、開拓が本格化し、大勢の倭人がが本州から屯田兵として移り住みました。

 

 

政府はアイヌ語や生活習慣を禁止し、伝統的に利用してきた土地を取り上げ、サケ漁や鹿猟も禁止したのです。

 

 

こうした倭人社会への塚政策の結果、アイヌの人々は貧窮を余儀なくされました。

 



 

 

1899年(明治32年)に制定された『北海道旧土人保護法』はアイヌに土地を与えて農民化を促し「日本的教育』を行うことでそうした窮状から抜けださせようというものでしたが、しかし生活的文化を否定し、倭人の開拓民に比べて圧倒的に狭く、農耕に適さない土地を与えるなどアイヌの人達の立場に立った法制度ではなかったのです。

 

 

 

 

1984年(昭和59年)アイヌの人々は先住民としての権利を求める『アイヌ民族に関する法律』案を作り、東京で大規模なデモ行進を行うなど、政府や国会に働きかけた結果、1998年(平成9年)に『アイヌの文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(文化振興法)』が成立し『旧土人保護法』はようやく廃止されたのです。

 

 

 

2008年(平成19年)に、国会において『アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議』が全会一致で採択されました。

 

 

 

日本政府が公式にアイヌ民族を先住民族と認めたこの決議を景気として、内閣官房長官を座長とする『アイヌ政策推進会議』が発足し、この会議を通じて国立のアイヌ文化博物館を2020年の東京オリンピックに合わせて建設することが閣議決定されたのです。

 

 

 

 

更に、『北海道外アイヌの生活実態調査』を踏まえた『全国的見地』からの新たな施策が議論されています。

 

 

現在、北海道に住むアイヌの人口は2013年(平成25年)の調査によれば6880世帯16786人です。

 

 

しかし、アイヌの人々は北海道だけに暮らしているわけではなく、1989年(昭和64年)の東京都の調査によれば都内には2700人余の方々が暮らしており、首都圏全体では5000人程度と見られています。

 

 

これらの調査は自己申告であったため、もっと多い可能性があるということです。

 

 



 

 

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